有元利夫は1946年岡山県生まれ。1969年東京藝術大学美術学部デザイン科に入学。在学中に渡欧した際、イタリアのフレスコ画に強く感銘を受けフレスコ画と日本の仏画に共通点を見出し、作品に岩絵具を用いることを決心します。1972年の卒業制作「私にとってのピエロ・デラ・フランチェスカ」10点連作が大学買い上げとなり、卒業後デザイナーとして電通に勤めますが、1976年より画業に専念。展覧会出品を重ねながら、1978年「花降る日」で安井賞特別賞を受賞。1981年には「室内楽」にて第24回安井賞を受賞します。その後数々の作品を発表し多くの賞を受けますが、1985年2月24日38歳という若さで逝去。 岩絵具を使い、風化を意識することによって、画面から剥がれ落ちない力強さを表現していきました。作品からは有元利夫がこよなく愛した音楽が漂い、観る者を時間や存在を忘れさせる空間へと誘っていきます。静謐な画面の中にひっそりと隠された有元利夫のメッセージは、死後30年以上たった今も多くの人々が受け取っています。
関連書籍
「有元利夫 女神たち」 美術出版社 1981
「有元利夫作品集 (リトグラフ2葉入)」 美術出版社 1981
「The WORKS OF TOSIO ARIMOTO」 彌生画廊 1985
「もうひとつの空 -日記と素描-」 新潮社 1986
「有元利夫デッサン集 (銅版画1葉入)」 新潮社 1986
「有元利夫追悼集」 彌生画廊 1986
「評伝有元利夫-早すぎた夕映」
講談社 1987
「有飛行 有元利夫と仲間たち」 風濤社 1987
「有元利夫全作品 1973-1984」 新潮社 1991
「日経ポケット・ギャラリー 有元利夫」 日本経済新聞社 1991
「花降る日」 新潮社 2002 「雲の誕生 有元利夫作品集」 新潮社 2003
「有元利夫と女神たち (復刻版)」 美術出版社 2006
「有元利夫 絵を描く楽しさ (とんぼの本)」 新潮社 2006
コレクション
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国立近代美術館- 「室内楽」安井賞受賞作品
岡山県立美術館
箱根・彫刻の森美術館
出羽桜美術館
オペラシティ・アートギャラリー
作家略歴
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覆われた時計 1980
楽典 1979
歩行 1980
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